ディーゼル車に用いられる第二のガソリンともいえる液体である「アドブルー」!
普通車を運転する人にとっては馴染みがないかもしれませんが、ディーゼル燃料を使用するトラックやバスを運転する人にとっては馴染み深いものなのです。
そんなアドブルーですが、意外にもガソリンよりも注意をしなければいけない点や危険な部分も多くあり、トラックドライバーなどをしている人でも知識を十分に得ていない人がいるほどです。
今回の記事では「アドブルーに水をいれるのは危ないの?」「アドブルーに他の液体を入れるとどうなるの?」「ションベンで代用できる?」などの疑問にお答えしていますのでぜひ参考にしてみてください!
アドブルーの代わりに水を入れた場合に起こる3つの危険
アドブルータンク内に水は絶対に入れないようにしましょう。
なぜかというと以下の3つの理由が挙げられます。
尿素SCRシステムの故障の要因になる
アドブルーに水を入れてはいけない一番の理由といっても良いでしょう。
そもそもの尿素SCRシステムの仕組みとして、アドブルーの尿素と排気ガスの窒素酸化物の化学反応を利用することで浄化効果を生み出しています。
しかしここに水が入ってしまうことで「硝酸」が生み出されてしまい、車にも人体にも悪影響が出てしまいます。修理する際の費用もかなり高額になってしまうので、絶対にアドブルータンクに水は入れないようにしましょう。
ガスの浄化効果が著しく劣化する
前述の話にも繋がりますが、アドブルーとガスに含まれる物質の化学反応でガスを浄化するので、そこでただの水を入れたところで浄化効果が得られるわけがなく、結果的にガスの浄化効果を著しく劣化させてしまいます。
車にも影響があるだけでなく、アドブルーの本来の目的である環境保全という目的が達成できなくなってしまいます。
エンジンポンプの故障する可能性が上がってしまう
水道水には目で目視できないほどの不純物が含まれており、アドブルーを噴射ポンプを通して流すところに不純物が流れてしまうと、エンジンの故障の要因になってしまいます。
こちらも修理費が取り返しのつかないほどの額になってしまう可能性がりますので、絶対にやめましょう。
アドブルーを水で薄める程度でもNG?
アドブルーを水で薄めて量を確保しようとする人もいるかも知れませんが、実はこれも絶対NGな行動なのです。
確かにアドブルーを水で薄めてもなんの変哲もなく車は動きますが、実際にはじわじわとアドブルータンクやポンプなどの機械にダメージを与える要因となってしまい、いきなり車が動かなくなってしまったというトラブルにも発展してしまいがちです。
一見すると大丈夫そうに見えるかもしれませんが、絶対にやめておきましょう。
アドブルーに水が入ったらどうする?
最も良い対処法としては「一度アドブルータンク内のすべてのアドブルーを抜いてもらいこと」です。
もったいないと思うかもしれませんが、アドブルータンクを通してさまざまな部品に干渉するので、車の故障などにもつながってしまう可能性があります。
車を安心かつ長く使っていきたいのであれば、必ず抜いてもらうようにしてトラブルを未然に防ぎましょう。
アドブルーの代わりにションベンを入れたらどうなる?
アドブルーの代わりにションベンを入れたらどうなるのでしょうか。
アドブルーは尿素なので代用できそうな気はしますよね。
しかしアドブルーの代わりに尿を使用することはおすすめできません。
実は尿は約96%が水で尿素は1.7%ほどしか含まれていません。
一方、アドブルーには尿素が32.5%も含まれています。
なので尿をアドブルーの代わりに使用すると、尿素SCRシステムが正しく機能しません。
さらにエンジンや車両全体に大きなダメージを与える可能性があります。
また、アドブルーは工業的には天然ガスから作られます。
尿とアドブルーは成分が大きく異なます。
代用で使うのは一時的にでも適切ではありません。
ちなみに尿をアドブルーの代わりに使うと、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 尿素SCRシステム内の触媒が腐食する
- 排気ガスの浄化効果が下がる
- 噴射ポンプに不純物が詰まる
アドブルーの代わりにションベンを使うことは全くおすすめできません。
絶対にやめておきましょう。
アドブルーがなくなりかけた時の対処法は
もし運転中にアドブルーがなくなりそうになった場合の対策として、まず1つにエンジンを切らないことが挙げられます。
アドブルーがなくなってしまった状態でエンジンを切ってしまうと、再び補充されるまで車のエンジンがかからなくなってしまいます。
最寄りのガソリンスタンドやカー用品店でアドブルーは補充できますので、それまでは必ず車のエンジンを切らずに運転することを心がけてください。
アドブルーがなくなるとどうなるのか?
こちらの記事で詳しく解説していますので参考にされて下さいね。
アドブルータンクに軽油を入れてしまったら?
アドブルータンクに経由を入れてしまった場合は、運転せずに整備工場などの施設にレッカーなどで運搬してタンク内の経由をすべて抜いてもらうことを推薦します。
もしこの状態で運転してしまった場合、車の状態が更に悪化してしまう可能性がありますので、もし軽油をアドブルータンク内に入れてしまった際は絶対に運転しないようにしてください。
アドブルーの抜き方は
ヤフー知恵袋などで調べてみると、アドブルータンクに間違って軽油を入れた場合はアドブルーを満タンにして溢れるまで入れれば軽油が抜けると書いてあります。
しかし実際に間違って軽油を入れた場合は整備工場に行ってアドブルーを完全に抜いてもらいタンクを洗浄したほうがいいでしょう。
プロに任せたほうが無難です。
軽油タンクにアドブルーを入れてしまったら?
アドブルータンク内に軽油を入れてしまった際と同様です。
むやみに運転せずにレッカーなどで整備工場などに運搬し、タンク内のアドブルーをすべて抜いてもらいましょう。
軽油タンクにアドブルーが入っている状態での運転は車に多大な悪影響を及ぼす危険性がありますので、絶対にやめましょう。
アドブルー不足の原因やいつまで続く?
アドブルー不足の一番の要因としては、今までアドブルーを主に生産していたヨーロッパの各企業がアンモニア生成に必要なガスの不足の影響で生産が止まってしまったことにあります。
現在不足の状況は脱した感じで、入荷できないなどに陥ることはなくなりました。
運送業界に携わる人間として一時の危機的な状況は解消していると感じています。
まとめ
アドブルーはトラックやバスドライバーにとって身近なものではあるものの、詳しい知識やトラブルの対処法を知らないという人も多いと思います。
そのため、知らない間に車にダメージを与えてしまっていたということも十分ありえますので、本記事で紹介した「タンク内に水を入れる」などに代表されるNG行動をしてしまっていた人は、本記事を参考に今後は絶対にしないようにし、トラブルを未然に防ぐようにしていただければ幸いです!