牽引免許は難しい?取得費用やコツ、けん引免許がいらない場合を徹底解説

けん引免許 難しい

「牽引免許は難しい」と耳にしたことはありませんか?
大型トレーラーやトラックの牽引車を操作するために必要なこの免許ですが、その取得には一定のハードルがあると感じる方も多いようです。
牽引免許の試験内容や運転技術は、普通自動車免許よりも高度で、特に方向転換や車両のバック操作などのテクニックが試されます。

また、教習所での学科や実技講習の受講費用も気になるポイントです。
費用はお住まいの地域や教習所によって異なりますが、一般的には10万円以上かかる場合がほとんどです。
そのため、必要性をよく考えた上で免許取得を検討することが大切です。

とはいえ、牽引免許が必要でないケースもあります。
仕事や趣味の目的次第では、免許なしで対応可能な場面もあるため、取得のメリットとデメリットをよく比較してみましょう。
この記事では、牽引免許が「難しい」と言われる理由や取得にかかる費用、さらには免許が必要ないケースについて詳しく解説していきます。

目次

牽引免許とは

けん引免許とは
  • 牽引免許が必要な車種は
  • 牽引免許の種類は
  • 牽引免許がいらない場合は
  • 牽引免許の取得条件は
  • 牽引免許の一種と二種の違い
  • 牽引免許があると有利な職種は

牽引免許とは、トラックやトレーラーなどの牽引車を安全かつ適切に運転するために必要な免許です。
通常の普通自動車免許では扱えない車両を牽引する際に取得が求められます。

具体的には、車両総重量が750kgを超える被牽引車を連結した場合に牽引免許が必要です。
物流や建設業界で活躍する大型トレーラーだけでなく、キャンピングカーやボートトレーラーを扱うレジャー目的でも、場合によっては牽引免許が求められます。

牽引免許には一種と二種があり、それぞれの使用目的や対象となる車両が異なります。
以下の見出しでは、牽引免許が必要な状況や免許の種類、取得方法などを詳しく解説していきます。

牽引免許が必要な車種は

牽引免許が必要になる車種は、被牽引車の車両総重量が750kgを超える場合に該当します。
以下に具体的な車種例を挙げます。

車種名主な使用目的牽引免許の必要性
大型トレーラー長距離物流必要
キャラバントレーラーレジャー・キャンプ必要(重量次第)
特殊機械運搬車建設現場の資材運搬必要
小型ボートトレーラーマリンスポーツ必要(重量次第)

レジャー用のトレーラーであっても、750kgを超える場合には牽引免許が必要となるため注意が必要です。
一方で、軽量なトレーラーや特殊条件の車両は普通免許で運転可能な場合もあります。

牽引免許の種類は

牽引免許には以下の2種類があります。

1. 牽引第一種免許

主に業務やプライベートの利用を目的とした牽引車両に対応します。
物流業界や建設業界で活躍する方が多く取得しています。

2. 牽引第二種免許

旅客輸送を目的とした牽引車両に対応します。観光バスや旅客用トレーラーを扱う場合に必要です。
免許取得の際は、自身の目的に応じた免許種別を選ぶ必要があります。

牽引免許がいらない場合は

以下の条件に該当する場合、牽引免許は不要です。

  • 被牽引車の車両総重量が750kg以下の場合。
  • 軽車両として扱われる特殊なトレーラー(例:自転車や一部の農業用機械)を牽引する場合。
  • 被牽引車を含めた総重量が特定の制限を超えない範囲での運行。

小型のキャンピングトレーラーや軽トレーラーは、牽引免許なしで運転可能な場合があります。
ただし、重量オーバーの場合は違法となるため、事前の確認が重要です。

牽引免許の取得条件は

牽引免許を取得するためには、以下の条件を満たしている必要があります。

普通自動車免許の保有

牽引免許を取得するには、まず普通自動車免許を取得していることが前提です。

適性検査の合格

視力や深視力などの身体条件を満たす必要があります。
特に深視力検査では、3本の棒を見分ける能力が試されます。

教習所での講習受講

学科講習と実技講習を受け、試験に合格する必要があります。
費用は地域や教習所によって異なりますが、一般的には10~20万円程度が相場です。

牽引免許の一種と二種の違い

牽引第一種免許と第二種免許の主な違いは、運転できる車両の用途です。

分類主な用途運転可能な車両例
牽引第一種免許業務・個人利用大型トレーラー、建設車両
牽引第二種免許旅客輸送旅客用トレーラー

観光業でお客様を運ぶトレーラーを使用する場合には第二種免許が必要です。
一方、貨物運送やレジャーであれば第一種免許で対応可能です。

牽引免許があると有利な職種は

牽引免許を持っていることで就職やキャリアアップに有利になる職種は以下の通りです。

物流業界

長距離輸送の大型トレーラー運転手として活躍できます。

建設業界

重機や建設資材を運搬する際に重宝されます。

レジャー業界

キャンピングカーやボートトレーラーのレンタル会社での需要があります。

観光業界

観光用トレーラーを扱う職種では特に第二種免許が役立ちます。

牽引免許の取得費用は

けん引免許 費用

牽引免許の取得費用は、地域や教習所、取得する免許の種類によって異なりますが、おおよそ10万円から20万円程度が相場です。
教習所を利用して取得する場合、以下の費用がかかることが一般的です。

牽引免許取得にかかる費用の目安

項目費用の目安内容
入学金1万円~3万円教習所に入学する際の費用
学科講習料0円~1万円普通免許を保有している場合は不要
技能講習料5万円~10万円実技教習(方向転換や連結などを含む)
試験料4,000円~10,000円試験場での試験に必要な費用
免許交付手数料約2,000円合格後、免許証を発行する費用
合計10万円~20万円程度

教習所の利用と一発試験の違い

教習所を利用する場合

教習所を利用する場合、費用は10万~20万円程度かかりますが、効率的に学べるため合格率が高い傾向があります。
実技試験や学科試験の対策が充実しているため、初心者におすすめです。

一発試験で取得する場合

一発試験は教習所を利用しない分、費用を抑えることが可能です。
しかし、試験内容が高度で、合格率が低いため、技術に自信がない場合は教習所を利用した方が無難です。

牽引免許を諦めた理由5選

牽引免許 諦めた
  • 技術習得の難しさ
  • 試験の合格率の低さ
  • 経済的負担
  • 教習所でのサポート不足
  • モチベーションの低下

牽引免許の取得を目指す方々の中には、途中で断念するケースも少なくありません。
以下に、諦めた主な理由を5つ挙げそれぞれ詳しく解説します。

1. 技術習得の難しさ

牽引免許の取得には、高度な運転技術が求められます。
特に、トレーラーのバック操作や方向転換は難易度が高く、多くの受験者がこの段階で挫折しています。
具体的には、教習所で方向変換の練習中に直線バックさえうまくできず、教官も呆れるほど手こずるケースがあります。

2. 試験の合格率の低さ

牽引免許の試験は、他の免許と比較して合格率が低いことで知られています。
特に、牽引二種免許の合格率は約20%と非常に厳しく、多くの受験者が途中で諦めてしまいます。
このように、試験の難易度の高さが取得を断念する一因となっています。

3. 経済的負担

教習所の費用や試験料、さらに補習や再試験の費用が積み重なると、経済的な負担が大きくなります。
例えば、教習所に入校する際に14万円を支払い、その後10万円以上の追加費用がかかるケースもあります。

4. 教習所でのサポート不足

教習所によっては、牽引免許の取得に特化した指導やサポートが十分でない場合があります。
その結果、受講者が適切な指導を受けられず、技術習得が進まないことがあります。

5. モチベーションの低下

繰り返しの失敗や長期間の学習により、モチベーションが低下し最終的に諦めてしまうケースもあります。
特に、卒業検定で5回以上不合格になると心が折れそうになることがあります。

牽引免許のコツは

牽引免許 コツ

牽引免許を取得するためには、通常の自動車免許とは異なる特殊な運転技術や試験対策が必要です。
以下に、効率的に合格を目指すための具体的なコツを詳しく解説します。

1. トレーラーの特性を理解する

牽引車両は、車体が長く、トレーラー部分が連結されているため、運転時に特有の挙動を示します。
特にバック操作では、ハンドルの動きが通常の車両と逆になるため、慣れが必要です。

例えば、右にハンドルを切るとトレーラーは左に動きます。
この特性を体で覚えるには、教習所で何度も練習を重ねることが重要です。
また、トレーラーの車軸位置や重心が挙動に影響するため、試験で使用する車両の動きをよく理解しておくと安心です。

2. 練習を計画的に行う

牽引免許の試験では、方向転換や車庫入れなどの操作が課されます。
これらは難易度が高い課題ですが、コツをつかむことでスムーズに対応できるようになります。

実際の練習では、特に以下の点を意識しましょう。

  • 車両の連結部分の動きに注意し、正確に進路をコントロールする。
  • 車両後方の確認を怠らず、視野を広く保つ。
  • コーンなどの目印を用いて、車幅感覚を鍛える。

教習所の練習時間を有効に使い、講師からのフィードバックを取り入れることでスキルアップにつながります。

3. 試験コースを徹底的に研究する

試験場での実技試験は、事前にコースが公開されることがあります。
この情報を活用して、コースの形状や注意ポイントを把握しておくと試験本番で余裕を持てます。

例えば、狭い場所での方向転換や車庫入れが求められる場合、教習所で同じようなシチュエーションを再現して練習すると効果的です。
コースの特徴を事前に理解しておくことで、無駄な操作を減らせます。

4. メンタルを整える

試験は緊張しやすい場面ですが、冷静さを保つことが重要です。
焦ってしまうと操作ミスが増え、合格が遠のきます。
深呼吸をしたり、事前に自信をつけるためのポジティブなイメージトレーニングを取り入れるのがおすすめです。

大型とけん引はどっちが難しい?

大型 けん引 どっちが難しい

大型免許とけん引免許はどちらも運転技術が必要な特別な免許ですが、難易度にはそれぞれ特徴があります。
どちらが難しいかは、求められるスキルや試験内容によって異なります。

大型免許の難しさは、車体の大きさや重量にあります。
特にカーブや狭い道路での運転には高い技術が必要です。
また、荷物を積載している場合、ブレーキの効きが変わるため、スムーズな操作が求められます。
一方、試験内容としては直進やカーブが中心で、運転の基本をしっかり身につけていれば対応しやすい傾向があります。

けん引免許の場合、車両が連結されているため、バック操作や方向転換が難関とされています。
けん引車両の特性として、ハンドル操作が通常の車両と逆になることから、感覚をつかむのに時間がかかる場合があります。
また、トレーラーの重量や長さが操作に大きな影響を与えるため、車両の動きを正確に把握するスキルが必要です。

試験の合格率を見ても、大型免許は比較的高い一方で、けん引免許は難易度が高く合格率が低い傾向があります。
このため、初めて挑戦する場合には、大型免許のほうがとっつきやすいと感じる方が多いようです。
とはいえ、けん引免許は専門性が高く、取得後の活躍の場が広がるメリットもあります。

牽引免許の取得方法は

  1. 取得条件を確認する
  2. 教習所に入校する
  3. 卒業検定を受験する
  4. 運転免許センターで手続きを行う
  5. 一発試験で取得する方法もある

牽引免許を取得するには、いくつかの手順を計画的に進めることが必要です。
普通免許や大型免許とは異なる技能が求められるため、事前準備や教習所での学習が重要です。
以下に、詳しい取得方法を解説します。

1. 取得条件を確認する

牽引免許を取得するには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 満18歳以上であること。
  • 普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許、または二種免許を所持していること。
  • 視力が片目0.5以上、両目で0.8以上であり、深視力検査に合格すること。

視力や深視力検査は特に重要で、不合格の場合は免許取得ができません。
メガネやコンタクトレンズで矯正する場合、事前に適性検査を受けると安心です。

2. 教習所に入校する

牽引免許を取得する最も一般的な方法は、教習所に入校して技能教習を受けることです。
学科教習は免除される場合が多いですが、技能教習は最低12時限以上が必要です。
技能教習では、以下の項目が中心に指導されます。

方向転換

トレーラーの特性を理解しながら、正確な方向転換を行う練習。

連結・切り離し

牽引車とトレーラーの連結方法や切り離し手順の習得。

車庫入れ

狭いスペースでの駐車技術を身につける練習。

3. 卒業検定を受験する

教習所で規定の技能教習を修了した後、卒業検定を受けます。
この検定では、以下のポイントが評価されます。

  • 正確な車両操作。              
  • トレーラーを適切に扱う能力。                  
  • コース上での安全確認や標識遵守。

試験は通常、教習所内で行われるため、事前の練習を活かして臨むことが重要です。
検定に合格すると、卒業証明書が発行されます。

4. 運転免許センターで手続きを行う

卒業証明書を取得したら、運転免許センターで手続きを行います。
ここでは適性検査(視力・深視力検査など)を受け、問題がなければ牽引免許が交付されます。

適性検査では以下がチェックされます。

  • 深視力検査:奥行き感覚を測る検査で、試験用の装置を使います。
  •  視力検査:基準を満たしているかを再確認。

手続きには、運転免許証、卒業証明書、印鑑、申請手数料(約2,000円)が必要です。

5. 一発試験で取得する方法もある

教習所を利用せずに、試験場で直接試験を受ける「一発試験」という方法もあります。
一発試験は費用が抑えられる反面、試験の難易度が非常に高く、合格率は10~20%と低い傾向があります。

一発試験を選ぶ場合、事前に運転練習場で牽引車両の操作を練習しておくことをおすすめします。
試験内容は教習所の卒業検定とほぼ同じです。

牽引免許の取得には時間と労力がかかりますが、計画的に進めることで効率よく合格を目指せます。
教習所を選ぶ段階から慎重に準備を進め、技能教習や試験に臨みましょう。

まとめ

けん引免許 難しい

牽引免許は、その特殊な運転技術が求められることから「難しい」と感じる方が多い免許です。
特にバック操作や方向転換など、通常の車両とは異なる動きに慣れる必要があります。
また、被牽引車の重量やサイズの影響を考慮した運転が求められるため、技術的なハードルが高いといえます。

取得費用についても、教習所による講習や試験費用を含めると10万~20万円程度かかるため、費用面での負担を考える必要があります。
一方で、教習所では技能講習を通じて効率的に学べるため、試験合格への近道として活用できます。

また、牽引免許が必要ない場合もあります。
たとえば、被牽引車の重量が750kg以下であれば、普通免許でも運転可能です。
自身の用途を明確にし、免許取得の必要性をよく検討することが重要です。

牽引免許は決して簡単ではありませんが、物流や建設業界での活躍を目指す方にとって大きなメリットがあります。
しっかりとした準備と練習で、取得への道を進めていきましょう。

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