大型トラックの運転を難しいと感じていませんか?
教習所に通っている方、免許を取って路上デビューをしたての方は運転にすごく不安があると思います。
私も初めて大型のトラックに乗った時は正直ドキドキが止まりませんでした。
この記事ではそんな初心者ドライバーさんに分かりやすく運転のコツやテクニックを解説しています。
大型トラックの運転が難しい理由とは!
乗用車は普通に乗れるのに何故トラックは難しいと感じるのか?
運転のコツやテクニックを覚える前にまず普通車と大型トラックの違いをしっかりと理解しておく必要があります。
大型トラックの運転の仕方は普通車とは全く異なります。
当たり前のようですがここをまず読まれてから次に進んで下さい。
車両の長さ
まず普通車と大型車は車体の長さが全然違います。
普通車が5m未満なのに対して大型の貨物トラックは全長が12mもあります。
2倍以上も違うんです。
これにより狭い道では曲がりにくい、内輪差、オーバーハングなどの問題点が発生します。
これらのコツやポイントを後で説明していきます。
車の幅の違い
次に車幅の違いですが普通車は3ナンバーサイズのワイドなワンボックスカーでもせいぜい1850mmです。
しかし大型車の場合は車幅は2400mm前後もあります。
道路を走っていても車線の幅は左右に余裕はありません。
したがってちょっとしたふらつきが即座に接触事故へと繋がってしまいます。
車幅の感覚を掴むコツの第一段階としてはとにかく左右のミラーを見て自分のトラックが走っている場所と車線の位置を確認することです。
車高(座席)の高さ
普通車の車高の高さはワンボックスタイプでも1800~1900です。
しかし大型トラックは高さの倍の3.8mあります。
座席の高さも普通車と比べるとさらに1m以上も高くなります。
ちなみに大型トラックの運転席の高さは2.4mになります。
トラックに乗る時は小さなステップを登って運転席に上がるくらいですからね。
高さが高くなった分、視野が広がるのは確かなんですが問題点は真下が死角になるという点です。
下に人が立っていても運転席からは見えないこともあります。
したがって発進時のポイントは3つに分かれている左ミラーの丸いミラー、アンダーミラーの確認がポイントになります。
バック時の違いについて
普通車でバックをする時はバックミラーを見ると思います。
しかしトラックにはバックミラーがありません。
最近ではバックカメラのおかげで後方をカメラで確認する事ができるようになりましたが、しかし12メートルもあるトラックのバックは初心者ドライバーにはかなり難しく感じるはずです。
大型トラックの運転が上手くできない方のほとんどはこのバックに悩まれていると思います。
このトラックのバックのコツについては別で詳しく解説します。
大型の運転手には向いてる人と向いていない人がいます。
向いていないと絶対に長続きはしないしきついです。
向き不向きは性格診断テストで調べることができます。
一度性格診断テストでチェックしてみましょう。
>>大型の運転手に向いているかチェックしてみる
大型トラックの運転のコツとテクニックについて
普通車と大型車の違いについてあらためて確認できたのと同時に問題点が浮き彫りになったと思います。
以下の問題点について細かく説明していきます。
・内輪差
・オーバーハング
・右左折について
・バックについて
・その他の注意点
大型トラックの内輪差のコツ
内輪差とは前輪より後輪の方が内側を通る、
つまり前輪よりも後輪のほうが内側を寄ってしまう現象の事をいいます。
この内輪差は全長が長くなればなるほどに大きく作用します。
内輪差によって発生する事故が巻き込み事故です。
大型トラックの巻き込み事故は本当に多いんです。
私の知り合いでも巻き込みで死亡事故を起こしたドライバーが何人もいます。
この内輪差のコツを掴むのに一番早い方法は何と言ってもミラーの確認です。
そしてこの時に肝になるのが後輪の位置です。
トラックのスピードと後輪の軌跡を計算しながらゆっくりと落ち着いて曲がることです。
ハンドルを大きく切れば後輪はどんどん寄っていきますからゆっくり少しずつハンドルは切ります。
そして2軸ある後輪の真ん中が曲がりたいポイントを過ぎればハンドルを思いっきり切っても大丈夫です。
とにかく後輪の軸の真ん中部分が曲がりたい所の角を過ぎたらオッケーです。
大型トラックの直角バックのコツ
大型トラックの直角バックは運転技術の一つです。
特に狭いスペースに駐車する際には使えるバックの方法です。
以下で直角バックを行う際の基本的なステップとコツをいくつか紹介しますね。
1.周辺の確認
まずバックするエリアの周辺を障害物がないかを確認し限界点を把握します。
トラックが安全に移動できるスペースを理解することが必要です。
2.適切な位置で止める
トラックをバックする前にトラックを正しい位置に止めます。
通常、トラックがバックするスペースの直角になるように配置(横づけ)します。
3.ミラーの使用
両側のミラーをしっかりと見てトラックの後方を常に確認します。
ミラーはトラックの位置と周囲の状況を把握するための重要なアイテムです。
基本的にはミラーを見ながらバックします。
4.ゆっくりと慎重に
スピードを落としてゆっくりと慎重にバックを開始します。
急なハンドル操作や動きはせずに、必要に応じて停止しながら状況を確認します。
5.ステアリングの理解
ステアリングを右に切ると、トラックの後部は左に寄るような感じになります。
ステアリングを左に切ると、トラックの後部は右に寄ります。
このハンドルとトラックの動きの関係を理解できると楽になります。
6.練習
直角バックは一にも二にも慣れです。
慣れるには練習が必要です。
失敗しても大丈夫な場所で練習をして技術を磨きましょう。
大型トラックのオーバーハングについて
上記で内輪差について解説しました。
オーバーハングとはタイヤの軸よりも後ろ(又は前)にある車体の長さのことで、トラックの最後尾がハンドルを切った時に内輪差とは逆に外側に出てしまう(いわゆるケツ振り)現象です。
このオーバーハングが原因の接触事故はめちゃくちゃ多いです。
ハンドルを思いっきり切って前進すると1m近くケツをふってしまいます。
オーバーハングの見極めのポイント
- 急ハンドルを切らない
- ゆっくり進む
- ミラーの確認
自分が曲がりたい方向の逆側に車やガードレール、その他の障害物がある場合にはゆっくり発進しミラーを見ながらハンドルをゆっくりと切ることがポイントです。
トラックの右折のオーバーハングとは!
トラックの右折時に発生するオーバーハング事故は左にいた車にトラックのケツをあてる事故がほとんどです。
相手の車で少し出っ張っているミラーにあてる場合が多いです。
そのような事故を起こさないためにはしっかりと左後方をミラーで確認してからハンドルを切りましょう。
前方ばかりに気を取られて後ろの確認がおろそかになるケースがほとんどです。
大型トラックの右折のコツ
内輪差とオーバーハングのコツを押さえたところで次は右折のポイントを解説します。
右折のコツとポイント
- 対向車の確認
- 右のミラーで内輪差の確認
- 左のミラーでオーバーハングの確認
まずは対向車がいないことを確認してハンドルを切っていきますがその時に左右のミラーで内輪差とオーバーハングの確認をすみやかにします。
また進行方向先が狭い場合には大回りをする必要があると思いますが、その際は特に左の車線の状況をしっかりと確認しましょう。
大型トラックの左折のコツ
左折時の注意点
- 左の巻き込み事故
- 進路先の道路状況
- 大回りが必要な時
左折で本当に注意してほしいのが歩行者や自転車などの巻き込み事故です。
この事故はほとんどの場合、大型トラック特有の内輪差やミラーの死角によって起こります。
私の知り合いも何人もこれで死亡事故を起こしてしまいました。
次に進路先の道路状況ですが道路が狭い、または左折先に車がいて曲がりにくい場合には一旦右にハンドルを切って大回りをしないといけない時があります。
この際に気をつけたいのが右側を走っている車です。
左に曲がるトラックがまさか右に寄ってくるとは思っていませんので安全を確認しながら右に寄りましょう。
その際にさらに注意したいのが左から来ている原付バイクの動きです。
バイクはトラックは右に曲がると勘違いしてそのまま交差点に進入してきます。
右にハンドルを切ってさらに左にハンドルを切り直す時にそのバイクは
完全に死角に入ってしまいます。
ミラーには何も映っていなくてもゆっくり左折しましょう。
普通車と12メートルトラックの曲がり方は全然違うのでこれらのポイントを押さえて運転することが上達への近道です。
大型トラックのバックのコツと注意点
大型トラックの運転の中で最難関なのがバックでしょう。
バックの場合は内輪差とオーバーハングが前進の時と逆になります。
つまりハンドルを切った方向に最後尾は寄っていきトラックの前方部が逆に振られてしまいます。
このバックをどれだけ早く極めるかが一人前のドライバーになる為には必要不可欠です。
バックについてはパターン別で解説します。
右バックのコツとポイント
右にハンドルを切ってバックする場合は右のミラーで後輪の軌跡を確認してトラックを寄せる感じで下がります。
その際に左側前方部は大きく頭を振るので左の障害物にキャビンをあてないように注意します。
左バックのコツとポイント
左バックの時にも右と同様に左ミラーで左の後輪を寄せる感じで下がります。
その際にキャビンは右に振るような動きになるので自分の右下には十分に気をつけましょう。
大型トラックのホーム付けのコツとは!
特に路線ドライバーには必要なトラックのホーム付け。
ホーム前方に壁などがあるホームでは本当に辛いですよね。
ホーム付けのコツは基本的に前述した右バック、左バックの注意点を意識しながらバックします。
狭いホームでは何回もハンドルを切り返さないといけない場合もあります。
左右のトラックの前方部より自分のトラックの後輪の軸が入れば勝利です。
コツとしては絶対にハンドルを大きく切らないという点です。
そして無理に入ろうとしない事です。
まだ余裕がある時点で切り返しをしましょう。
無理に入れると出るに出れない状況になりパニックになる可能性があります。
危ないと感じたらトラックを降りて目視確認をすることをおすすめします。
他のトラックを待たせることになっても絶対に焦らないことです。
大型トラックの車庫入れのコツとは!
車庫入れも基本的にトラックのホーム付けと同じです。
しかし車庫入れの場合は一般道路での作業になるので他の一般車両や歩行者に気をつけながら行います。
車庫内にも会社の同僚がいたりするので気を抜かずミラーや死角に人がいないかを確認しながら車庫入れを行なって下さい。
車庫入れで気を付けないといけないのが左右の車両や車庫の壁です。
車庫入れする時、車庫から出るときなどにぶつける事故がかなり多いです。
私も経験がありますがトラックの最後尾のケツであてるケースが多いです。
ゆっくりと慎重に焦らずにしましょう。
4軸低床は曲がりにくい?
トラックの4軸低床はたしかに曲がりにくいです。
曲がりにくい理由は車輪ベースが長いためです。
車輪ベースとは、前輪と後輪の間の距離のことを指します。
4軸低床トラックは、その車輪ベースが長いために曲がる時に大きなスペースが必要になります。
車輪ベースが長いと車両の旋回半径も大きくなるので、細い道路や狭いスペースでは曲がりにくさが増します。
バックでのホーム付けはしやすいのですが、前に進んでいる時には通常の10輪車に比べると曲がりにくいデメリットがあります。
おすすめの練習方法と場所
一般公道では練習はできませんので現場の大きな駐車場やトラックのホームで練習するのがおすすめです。
忙しい時やトラックが多い時は無理ですが、週末や深夜でトラックが少ない時は現場で右バックや左バック、ホーム付けの練習をしていました。
大型の運転が怖いと感じた時の克服方法は
大型トラックを運転していると事故りかけたり危険な目に遭うと怖いと感じることはあるでしょう。
しかしその怖いと感じたこと自体がプロのドライバーになるための貴重な経験となります。
大切なのは何故そのような状況になったのか、原因と対策を考えることなんです。
そうやってあらゆる危険なパターンを事前に予測することが可能になるわけです。
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まとめ
今回は大型トラックの運転のコツとポイントを解説させて頂きました。
大型トラックの運転の仕方は普通車とは大きく異なります。
しかしトラックの特性や違いを理解すると問題点が見えてきます。
「運転は慣れだ」という方がいます。
確かにそうですがそれは本当のアドバイスにはほど遠いです。
具体的にコツやポイントを押さえることで慣れるまでの期間が圧倒的に早くなります。
この記事が大型免許を取得されたドライバーさんにとって少しでも参考になれば幸いです。