走行中や狭い道でのすれ違い、駐車場での出入り時など、車のサイドミラーが相手車両と接触してしまう事故は意外と多く発生しています。
「少し当たっただけ」「相手に怪我がないし」と、その場で示談にして警察を呼ばないケースも見られますが、それが後になって思わぬトラブルを招くことも。
この記事では、サイドミラーの接触で警察を呼ばなかった場合のリスクや、正しい対応方法について具体的に解説していきます。
サイドミラー接触で警察を呼ばなかった場合の影響
一見すると軽微な事故に見えるサイドミラーの接触ですが、法的には「交通事故」に該当します。
そのため、対応を誤ると後々大きな問題に発展する可能性があります。
物損事故でも警察への報告義務はある
たとえ当事者同士で話し合って解決しようとしても、法律上の手続きを怠るとリスクを負うことになります。
示談で済ませた場合に起きやすいトラブル
その場で謝罪し、修理代を現金で支払って解決したつもりでも、後から「ミラー以外も傷があった」「音がしていたから内部に異常があるかも」と主張されることがあります。
警察を呼んでいなければ、事故の記録が残らないため、言った言わないの水掛け論になってしまう可能性が高いです。
後から相手が通報していた場合のリスク
自分は呼ばなくても、相手が後から警察に通報していた場合、「当て逃げ」と判断されてしまうこともあります。
故意でなくとも連絡を怠れば、立場が不利になる可能性があるため、事故が起きた時点で必ず通報するのがベストです。
なぜサイドミラー接触でも警察を呼ぶべきなのか
「たったこれだけの接触で?」と思ってしまうかもしれませんが、正当な手続きを踏むことは自分自身を守るうえでも非常に重要です。
事故証明がないと保険適用されないことも
車両保険や任意保険を利用して修理費をカバーしようとした場合、警察の事故証明がなければ対応不可とされることがあります。
とくに対物賠償保険を使う場合は、事故の届け出が保険金支払いの前提になるため、忘れずに通報しておくことが必要です。
相手の言い分が変わったときに困る
事故直後は「これくらいなら大丈夫です」と穏やかに話していた相手が、後になって「やっぱり修理費を請求したい」と言ってくるケースも珍しくありません。
第三者(警察)が現場確認をしていなければ、証拠がなく、交渉が難航することになります。
小さな接触でも後から修理代が高額になる可能性
ミラー部分は外から見ると軽い擦り傷でも、内部のモーターやウィンカーの配線が破損していたりすると、修理代が思った以上に高額になることがあります。
警察に届け出ておけば、事故としての処理が可能になり、保険対応もしやすくなります。
実際に警察を呼ばなかった人の体験談
サイドミラー接触で警察を呼ばなかったことによって、思わぬ展開になった体験談も数多く報告されています。
その場で謝って解決したが、数日後に連絡が来た
あるドライバーは、接触直後に相手が「気にしなくていい」と言ったため、連絡先も交換せずに別れたそうです。
しかし数日後、相手から「やっぱり修理が必要なので費用を請求したい」と連絡が来たものの、記録も証拠もなく困ってしまったとのこと。
保険会社から事故証明がないと対応できないと言われた
自分の任意保険を使って修理しようとしたところ、「事故証明がないので保険金は出せない」と保険会社に断られたケースもあります。
保険の利用を前提にしているなら、事故証明は必須と考えるべきです。
相手が警察に届けていたことを後で知った
事故直後に「お互い様で終わりにしましょう」と解散したのに、相手がその後警察に通報していたケースも。
連絡を怠った結果、後日警察から「当て逃げの疑いがある」と連絡が入り、事情説明を求められることになったという例があります。
サイドミラー接触時にやるべき正しい対応
サイドミラーを接触させてしまった場合は、状況に関係なく、落ち着いて次の行動をとることが大切です。
まず安全確保と写真撮影をする
事故後は、まず車を安全な場所に停車させ、二次被害が起きないようにします。
そのうえで、接触箇所の写真や周辺の状況をスマホなどで記録しておくと、後々の証拠として非常に役立ちます。
迷わず警察に通報して対応を待つ
どんなに軽微な接触でも、原則として警察への連絡は必要です。
通報後、警察が到着するまで現場で待機し、事情を正確に説明しましょう。
必要に応じて相手の情報も控えておくと安心です。
保険会社と連携しながら話を進める
事故後は保険会社にも早めに連絡しましょう。
保険対応の流れや、相手とのやり取り方法などについてアドバイスをもらえます。
小さな事故でも、トラブルを避けるためには保険会社のサポートが非常に心強い存在になります。
警察を呼び忘れた場合の対処法
うっかり警察に連絡しなかった、という場合でも、すぐにできる対応があります。
状況によってはフォローが可能なので、落ち着いて行動しましょう。
後日でも警察に相談しておくべき理由
時間が経ってしまった場合でも、最寄りの警察署に出向いて事情を説明することで、参考記録として受理してもらえることがあります。
事故当時の状況をできるだけ詳細に説明し、写真などの証拠があれば併せて提出しておくと、より信ぴょう性の高い記録として扱ってもらえる可能性があります。
これにより、後日保険会社との交渉や、万が一の法的トラブルが発生した際にも、自分の立場を明確にしやすくなります。
加えて、警察側が同様の事故例を把握している場合、助言をもらえることもあり、想定されるトラブルの防止につながることもあります。
保険会社へ事実を伝えて正直に相談する
事故証明がなくても、一部の保険会社では事情を考慮して対応してくれるケースもあります。
たとえば、録音や写真などの証拠がある場合、それをもとに保険金支払いの判断が行われることがあります。
事故発生時の日時・場所・状況を詳しく伝えることはもちろん、相手の氏名や連絡先が分かっていれば、その情報も添えて相談しましょう。
隠さず正直に状況を説明することで、柔軟な対応を引き出せる可能性が高まります。
相手とのやり取りの記録は必ず残しておく
電話での会話内容やメールのやり取り、LINEのやり取りなどは、可能な限りスクリーンショットや録音機能を活用して保存しておきましょう。
トラブルが生じた場合に、当時のやり取りを証明する大切な証拠となります。
また、口約束でのやり取りだけに頼るのではなく、必ず文字として残る形での記録を心がけることが、後々の自分の身を守ることにつながります。
特に相手が話の内容を変えてきたときや、第三者に説明が必要になったとき、記録があるかないかで対応のしやすさは大きく異なります。
まとめ
サイドミラーの接触事故は一見些細なトラブルに思われがちですが、実際にはその後に大きな問題へと発展することが十分にあり得ます。
とくに事故証明を取っていない場合、保険が適用されなかったり、相手側が後から主張を変えてきたりと、思いがけないリスクを抱えることになりかねません。
また、事故当時には気づかなかった損傷が後日判明することもあり、当事者同士で済ませたことを後悔するケースも少なくありません。
さらに、相手が後から警察に通報していた場合には、こちらが加害者として扱われるリスクすら存在します。
したがって、どんなに軽微な接触でも、警察への通報は必ず行っておくべきです。
万が一その場で通報しなかったとしても、後から警察や保険会社に正直に相談することで、ある程度の対応は可能です。
慌てずに冷静に行動し、事後対応をしっかりと行うことで、トラブルを最小限に抑えることができます。