青果物の配送ドライバーという仕事に興味はあるけれど、「きつい」「体力的に大変そう」といった不安を感じていませんか?
確かに、早朝勤務や重い荷物の運搬など、青果配送にはハードな一面もあります。
しかし、実情を正しく理解し、適切な対策や働き方を選べば、安定した収入とやりがいを感じながら働くことも可能です。
この記事では、青果物配送の仕事が「きつい」と言われる理由を具体的に解説しながら、それでもこの仕事を選ぶ人の理由や、きつさを和らげる工夫について紹介します。
転職を考えている方や、配送業務が初めての方でも安心して読める内容ですので、ぜひ参考にしてください。
青果配送の仕事とは?
青果配送とは、野菜や果物といった生鮮食品を、生産地や市場からスーパー・飲食店・小売店などへ届ける仕事です。鮮度が命の商品を扱うため、配送の正確さやスピード、取り扱いの丁寧さが求められるのが特徴です。
主な仕事内容と流れ
青果配送ドライバーの1日は、早朝の出勤から始まることが一般的です。
卸売市場や物流センターで商品を積み込み、決められたルートに沿って各納品先に届けていきます。
配送先はスーパーの青果売場、飲食店、八百屋、学校給食センターなど多岐にわたり、1日に複数件を回ることが多いです。
納品先では荷下ろしや検品、場合によっては簡単な挨拶や伝票のやり取りも行います。
商品によっては冷蔵車を使用することもあり、配送ルートに加えて温度管理も重要になります。
配送車と取り扱う荷物の特徴
多くの場合、使用するのは2トン車や3トン車といった中型トラック。
住宅街や都市部にも入れるサイズが主流です。
荷物は段ボールや発泡スチロール、ネット袋に詰められた野菜や果物で、重さや形状がさまざまなため、積み下ろし時には注意が必要です。
特に重量物(キャベツ・じゃがいもなどの箱詰め)や、傷みやすい果物(桃・バナナなど)は、丁寧かつ素早い取り扱いが求められます。
これらの荷物を手作業で扱うため、一定の体力と集中力が必要です。
「きつい」と感じられる主な理由
青果配送の仕事は、単に「荷物を運ぶだけ」ではなく、体力的にも精神的にも負担がかかる場面が多いため、「きつい」と感じる人が少なくありません。
ここでは、よく挙げられる主な理由を4つ紹介します。
朝が早い・深夜や未明出発のケースが多い
青果は鮮度が命の商材であり、多くの配送先が開店前や早朝に納品を求めるため、出勤時間が早朝3時〜5時ということも珍しくありません。
場合によっては真夜中に起きて出勤しなければならないため、生活リズムが崩れやすく、体力的なきつさを感じやすいです。
荷物が重い・手降ろし・仕分け作業の体力負担
青果は重量のある段ボールやケースで運ばれることが多く、10〜20kgの荷物を一人で運ぶ場面もあります。
また、パレットや台車を使わず、トラックから手作業で降ろす「手降ろし」が多い現場では、腰やひざへの負担も大きくなります。
特に夏場は気温や湿度も加わり、過酷な労働環境になりがちです。
品質管理・時間厳守・温度管理などのプレッシャー
青果物は温度や衝撃に弱いため、配送中の品質管理も重要です。
少しの傷や変色でクレームにつながることもあり、荷物の積み方や運転の丁寧さにも気を配る必要があります。
また、納品時間が決められていることが多く、交通状況による遅れやトラブル時の対応にもストレスがかかります。
不規則な勤務シフト・休日の取りにくさ
多くの青果配送業者は日曜・祝日も稼働しているため、土日休みが取りにくく、週末に家族と過ごす時間を確保しにくいという声もあります。
特に繁忙期(お盆・年末年始など)は休みが取れず、ワークライフバランスがとりにくいと感じる人も少なくありません。
本当のところ、どれくらい「きつい」のか?体験談とデータ
「きつい」と言われがちな青果配送の仕事ですが、実際にどの程度の負担があるのでしょうか?
ここでは、現場で働くドライバーの声や実際の勤務条件、そして収入面などをもとに、客観的な視点で実情を見ていきます。
ドライバーの声に見る現場のリアル
ある現役ドライバーの体験談では、「朝3時に市場集合、昼前には終わるが、睡眠のリズムが崩れてキツい」「重たい段ボールを何十個も手で降ろすのは腰にくる」といった声が多く見られます。
一方で、「毎日決まったルートだから慣れると楽」「市場の人とのやりとりが楽しい」といった前向きな意見もあります。
こうした声から分かるのは、慣れるまでの数ヶ月が特に大変だということ。
そして、体力に自信があれば、ある程度は「きつさ」を乗り越えられるという点です。
拘束時間・勤務スケジュールの実態
勤務時間は早朝から昼過ぎまでというパターンが多く、例として「午前3時出社→午前4時出発→10件前後配送→正午退勤」という流れが一般的です。
ただし、荷物の量やルートによっては14時〜15時までかかることもあり、1日の拘束時間は実質8〜10時間程度と見られます。
週休はシフト制で、完全週休2日制を導入していない企業も多く、働く環境にはばらつきがあります。
収入・待遇の実情:体力勝負だけど安定も
また、配送業界全体の人手不足から未経験でも採用されやすく、経験を積めば正社員登用や管理職への道も開ける点は、キャリアを考える上でのメリットと言えます。
きつさを軽減するためにできること
青果配送の仕事には確かに厳しさがありますが、その「きつさ」を少しでも和らげる方法も存在します。
ここでは、日々の業務を少しでも快適にするための工夫や、職場選びのポイントを紹介します。
体力・健康管理:腰・膝・関節・冷え対策
重い荷物を扱う仕事では、身体への負担を減らすためのセルフケアが欠かせません。
コルセットや膝サポーターを活用する、こまめなストレッチを取り入れるなどの対策が有効です。
また、早朝や冷蔵車での作業では身体が冷えやすいため、防寒対策や保温性の高いインナーを活用することで体調管理もしやすくなります。
仕事選びのポイント:ルート・荷物量・勤務条件に注目
「青果配送」といっても業者によって業務内容や環境は大きく異なります。
例えば、固定ルート配送なら毎日の流れが安定しやすく、慣れれば効率的に動けます。
また、手降ろしではなくカゴ車や台車を導入している会社もあり、体への負担を軽減できます。
求人選びの際は、「ルートの固定有無」「1日の配送件数」「積み降ろし方法」「休日日数」など、具体的な条件に注目しましょう。
働き方・職場環境の工夫:人間関係やサポート体制も大切
きつさを感じる一因に、「人間関係」や「孤独感」もあります。
中には、市場関係者や同僚とのコミュニケーションが少なく、孤独を感じやすい現場もあるため、チーム制や同行サポート体制がある職場は初心者にもおすすめです。
また、管理職や先輩がしっかりサポートしてくれる企業では、ミスやトラブル時にも落ち着いて対応でき、精神的な余裕にもつながります。
青果配送の仕事が向いている人・向いていない人
青果配送の仕事は、体力や時間管理、丁寧さが求められる分、向き・不向きがはっきりしやすい職種です。
自分に合っているかどうかを見極める参考にしてください。
向いている人の特徴
- 体力や健康に自信がある人
重い荷物の積み降ろしや長時間の運転に耐えられる体力がある人は、無理なく働き続けられます。 - 朝型で規則正しい生活が得意な人
出勤が早い分、午後には仕事が終わるケースも多いため、早寝早起きの生活スタイルが合う人にぴったりです。 - 黙々と作業するのが好きな人
配送中は基本的に一人で動くことが多く、対人関係のストレスが少ないため、単独作業が好きな人に向いています。 - ルーティンワークが苦にならない人
毎日決まったルートや同じ取引先を回ることが多いため、ルーチンを好むタイプに向いています。
向いていない人の特徴
- 夜型で早起きが苦手な人
出勤時間が早朝〜深夜になることが多いため、夜型生活が習慣になっている人には負担が大きくなります。 - 体力に自信がない人・持病がある人
腰や膝への負担が大きいため、体力に不安がある人は無理をしやすく、長続きしにくい可能性があります。 - 休日やプライベートの時間を重視したい人
土日祝も稼働する業者が多く、連休や家族との時間を優先したい人には不向きな面もあります。 - 柔軟なスケジュールや自由な働き方を重視する人
納品時間が厳格で、勤務時間も固定されやすいため、自由な働き方を望む人には窮屈に感じることもあるでしょう。
まとめ
青果配送の仕事は、「朝が早い」「荷物が重い」「体力的にきつい」といった厳しさがある反面、安定したニーズと収入、そして習熟することで得られるやりがいが存在します。
特に体力に自信があり、ルーティン作業や早朝勤務が苦にならない方にとっては、長く続けられる職業のひとつです。
とはいえ、きつさの程度や感じ方は人それぞれです。
実際の仕事内容や勤務条件を事前に確認し、自分のライフスタイルや価値観と照らし合わせながら慎重に判断することが大切です。
また、企業によっては手降ろし作業の軽減策や休暇制度の整備など、働きやすさを重視している職場も増えてきています。
「きつい」現実にばかり目を向けるのではなく、自分に合った職場環境を見極め、長く安定して働ける道を選ぶことが、青果配送の仕事と上手に付き合っていくためのポイントです。
