個人事業主として軽貨物ドライバーを目指す方にとって、稼げる年収は非常に気になるところです。
軽貨物ドライバーの年収は働き方や契約形態により大きく変わるため、事前にしっかりと情報を把握することが重要です。
この記事では、軽貨物ドライバーとしての年収の目安を紹介し、さらに開業手順についても詳しく解説します。
独立を検討している方にとって、役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
個人事業主の軽貨物ドライバーになる方法や良い契約元を探す方法に関しては、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでご覧ください。
個人事業主の軽貨物ドライバーの仕事内容は?
個人事業主の軽貨物ドライバーの主な仕事内容は、軽自動車を使用して小口配送を行うことです。
具体的には、ネットショッピングや宅配サービスの拡大に伴い、企業や個人宅への配達を担当します。
依頼元となる会社と契約を結び、決められたルートやエリアでの配送を行うことが一般的です。
さらに、配送する荷物の種類や大きさも様々で、食品や日用品、家具のパーツなど幅広いものを取り扱います。
仕事の一環として、荷物の受け取り、積み込み、配送、受領確認までを一貫して行い、配達先ではお客様との接触も多いため、コミュニケーション能力も求められる場面があります。
個人事業主であるため、仕事量の調整が自由で、自分の生活スタイルに合わせて稼働時間や配達エリアを選ぶことができるのも特徴です。
しかし、自己管理が求められ、仕事の調整や車両の維持、燃料費の負担などもすべて自身で管理しなければならないという側面もあります。
個人事業主の軽貨物ドライバーの年収は?
個人事業主の軽貨物ドライバーの年収は、働き方や契約内容によって大きく異なります。
フルタイムの軽貨物ドライバーの年収
例えば、1日8時間程度の稼働で月20日以上働き、1日の売上が平均して1万円~1.5万円程度を見込むと、月収で20万円~30万円程度、年収にすると240万円~360万円になります。
特に繁忙期や長距離配送を積極的に引き受けると、さらに収入を上げることができ、年収600万円を超えるケースも報告されています。
パートタイムや副業ドライバーの年収
1日4~6時間の稼働で、週に2~3日程度の勤務を行うドライバーが多くいらっしゃいます。
その場合、月の売上が10万円~15万円程度、年間では120万円~180万円となります。
稼働日数に応じた収入の差
例えば、月25日稼働で1日の売上が1.2万円の場合、月収は30万円、年間では360万円となります。
月25日以上稼働し、長距離や急ぎの案件を多く受けるドライバーでは、月収50万円以上、年間600万円以上を稼ぐことも可能です。
繁忙期や特定エリアの収入
都市部や特定の繁忙期(年末年始、セール時期)には、配送需要が高まるため、単価の高い案件を多くこなすことができます。
1件あたりの報酬が高い場合や、1日で複数の案件をこなすことで月50万円~70万円程度稼ぐこともあり、年収に換算すると600万円~800万円を達成するドライバーも存在します。
経費を差し引いた実際の年収
しかし、軽貨物ドライバーの場合、
- 車両維持費
- 燃料費
- 保険料
- 税金など
の経費が発生します。
例えば、年間の経費として50万円~100万円程度が一般的です。
そのため、実際に手元に残る「純利益」は、例えば年収500万円のドライバーの場合、経費を差し引いて400万円前後となります。
これらのデータは実際のドライバーや業界の統計に基づいていますが、地域や業務内容によっても変動するため、自身の目標に応じた働き方を選択することが重要です。
個人事業主で開業する手順や必要なもの
個人事業主として軽貨物ドライバーを開業するためには、しっかりとした準備と手続きが必要です。
配送業務は体力的な面だけでなく、経営者としての自己管理能力も求められるため、計画的な開業が成功の鍵となります。
以下では、具体的に開業に必要なもの、申請手続きの流れ、そして確定申告に関する重要なポイントを解説します。
開業に必要なもの
- 車両
- 事業用ナンバー(黒ナンバー)取得
- 貨物運送業に必要な保険
- スマートフォンやタブレット
- 仕事の契約先
上記は軽貨物ドライバーとして開業する際に必要なもの5つです。
それぞれ簡潔に説明します。
車両
軽貨物ドライバーの業務に不可欠なのは、もちろん軽自動車です。
自家用車を業務に使用する場合は、事業用ナンバー(黒ナンバー)に変更する必要があります。
車両のサイズや燃費は経費にも直結するため、選定には慎重な判断が求められます。
事業用ナンバー(黒ナンバー)取得
通常の自家用車(白ナンバー)では配送業務が行えないため、事業用として登録し黒ナンバーを取得する必要があります。
これは運輸支局にて手続きが可能です。
貨物運送業に必要な保険
軽貨物ドライバーは、万が一の事故やトラブルに備えて、業務用の自動車保険(任意保険)や貨物保険に加入する必要があります。
通常の個人向け自動車保険では対応できないため、事業用に適した保険を選ぶことが大切です。
スマートフォンやタブレット
現在の軽貨物ドライバーは配送アプリを使用するケースが増えてきています。
リアルタイムでの荷物追跡や連絡が必要になるため、スマートフォンやタブレットは必須です。
また、ナビアプリや配達管理アプリも導入しておくと効率が向上します。
仕事の契約先
開業する際に事前に配送委託先や契約先企業を確保することも重要です。
大手通販会社や運送会社と契約し、安定した業務を確保することが開業後の成功に繋がります。
開業の申請方法や流れ
軽貨物ドライバーとして開業するためには、いくつかの法的手続きが必要です。
具体的な申請方法と流れは次の通りです。
個人事業主としての開業届の提出
軽貨物ドライバーを始めるには、まず税務署に開業届を提出します。
これは事業を開始する日から1か月以内に行う必要があり、青色申告を選ぶことで税制上の優遇措置を受けることができます。
運輸局での黒ナンバー申請
自家用車を事業用に使用する場合、事業用ナンバー(黒ナンバー)の取得が必須です。
これを行うためには、運輸支局にて必要書類を提出し、車両検査を受ける必要があります。
黒ナンバーは事業者としての証であり、無許可で配送業務を行うことは違法となります。
貨物軽自動車運送事業の届出
軽貨物運送業を営む場合、貨物軽自動車運送事業届出書を運輸局に提出します。
この届出を行うことで、合法的に事業として配送業務を開始できます。
提出には事業用車両の証明書、保険の証書などが必要です。
社会保険・労災保険の加入手続き
自分自身や従業員がいる場合、労働者としての安全を確保するために、労災保険や社会保険への加入手続きも考慮する必要があります。
特に、独立後は自分自身の健康や安全も重要な管理項目となります。
確定申告について
個人事業主として活動する軽貨物ドライバーは、毎年確定申告を行う必要があります。
確定申告は、事業収入から必要経費を差し引いて、所得税を計算し納める手続きです。
青色申告と白色申告の選択
確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。
青色申告を選択すると、最大65万円の控除が受けられるほか、事業上の赤字を翌年以降に繰り越すことが可能です。
そのため、軽貨物ドライバーとして安定した収入を得ることを目指すなら、青色申告の活用を検討することをお勧めします。
経費の管理
確定申告では、車両維持費、燃料費、保険料、修理費用、通信費などを経費として申告できます。
特に事業用の車両にかかる費用は大きいため、経費管理を徹底することで、課税所得を抑えることができます。
スマートフォンアプリや会計ソフトを使用して日々の経費を管理するのが効果的です。
消費税申告の注意点
売上が1,000万円以上になる場合、消費税の納税義務が発生します。
開業初年度は免税される場合が多いですが、翌年度以降は消費税の申告が必要になるため、売上の管理に注意が必要です。
専門家のサポートを活用する
初めて確定申告を行う際には、税理士や会計ソフトのサポートを受けると安心です。
特に青色申告では、帳簿の管理が複雑になるため、専門家のアドバイスを活用することで、適切な申告を行うことが可能です。
これらのステップを踏まえ、計画的に開業手続きを進めることで、軽貨物ドライバーとしてのキャリアをスムーズにスタートできます。
個人事業主で軽貨物ドライバーをする際の5つの注意点
- 経費がかかる
- 怪我や病気をすると収入が減る
- 閑散期は収入が減る
- 事故や荷物破損の損害が全て自己責任
- 自分で税金や保険などの手続きをする
上記は軽貨物ドライバーとして独立する際に押さえておくべき5つの注意点です。
それぞれご紹介します。
経費がかかる
個人事業主として軽貨物ドライバーを始めると、様々な経費が発生します。
特に車両の維持費は大きく、ガソリン代や車両の修理費用、保険料、車検費用などが毎年かかります。
さらに、タイヤ交換やオイル交換といった定期的なメンテナンス費用も積み重なります。
これらの経費をきちんと見積もっておかないと、収入からの差し引きが大きくなり、手元に残る利益が少なくなってしまうこともあります。
事業収入の中から適切に経費を管理することが重要です。
怪我や病気をすると収入が減る
個人事業主の軽貨物ドライバーは、休んだ日には収入が発生しません。
そのため、怪我や病気で長期間働けない場合、収入が大幅に減少するリスクがあります。
特に身体的な負担が大きい配送業務では、健康管理が重要です。
万が一に備えて、労災保険や傷害保険への加入、緊急時に収入を補填できる所得補償保険の活用も検討しておくべきです。
個人事業主としては、常に体調管理を意識し、病気や怪我のリスクをできる限り低減することが求められます。
閑散期は収入が減る
軽貨物ドライバーの収入は、配送業界の季節的な変動に左右されます。
繁忙期(例: 年末年始や大型セール期間)には仕事が多くなり高収入が期待できますが、一方で閑散期には配送の依頼が減少するため、収入も大幅に減少することがあります。
特に1月や2月は業界全体で取引が少なくなる傾向があり、安定した収入を維持するためには繁忙期にしっかり稼ぐ戦略が必要です。
また、複数の契約先を確保するなど、仕事の依存先を分散させることも、閑散期のリスクを軽減する対策のひとつです。
事故や荷物破損の損害が全て自己責任
軽貨物ドライバーは、配送中に発生した事故や荷物の破損について、基本的に全てが自己責任となります。
運転中に交通事故を起こした場合や、荷物を破損・紛失した場合は、修理費や賠償金を自分で負担しなければならない可能性があります。
これに対して、車両保険や貨物保険への加入は必須です。万が一の際に、経済的な損失を最小限に抑えるためにも、十分な保険をかけておくことが重要です。
また、事故やトラブルのリスクを減らすために、日常的な車両メンテナンスや安全運転への意識を高く持つことも不可欠です。
自分で税金や保険などの手続きをする
個人事業主の軽貨物ドライバーは、税金や社会保険の手続きを自分で行う必要があります。
毎年の確定申告はもちろんのこと、収入が大きくなると消費税の納税義務も発生します。
また、退職金制度がないため、年金や健康保険も自分で手続きし、支払いを行う必要があります。
税金の申告が遅れたり不備があると、追徴課税や罰金が科せられるリスクがあるため、会計ソフトや税理士の活用を検討することが推奨されます。
しっかりとした経理管理を行い、税金や社会保険についても計画的に対応することが、個人事業主としての長期的な安定に繋がります。
正社員と個人事業主ドライバーの違いについて
正社員と個人事業主の軽貨物ドライバーには、それぞれ異なる特徴があります。
正社員は固定給や社会保険、福利厚生が充実しており、収入が安定していますが、勤務時間や仕事内容は会社の指示に従う必要があります。
一方、個人事業主は働き方の自由度が高く、自分で稼働時間を調整できますが、経費や税金、保険の管理、事故などのリスクを全て自己負担で対応しなければなりません。
また、収入の安定性も低くなりがちです。
このように安定性とサポートを重視する方にとって、正社員としての働き方は大きな利点があります。
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個人事業主ドライバーの年収を上げる7つのコツは
- 業務効率の工夫
- 1日の配達件数を増やす工夫
- 配送単価の交渉
- 経費の削減
- 体調管理の徹底
- 条件の良い業者との契約
- 兼業・副業する
上記は個人事業主ドライバーの年収を上げるコツです。
収入を最大化するための7つの具体的なコツを一つずつご紹介しますね。
業務効率の工夫
業務効率を上げることで、同じ時間でより多くの仕事をこなすことができ、結果的に収入の向上につながります。
例えば、配達ルートを最適化するアプリを活用したり、積み下ろしの時間を短縮する工夫を取り入れることで、無駄な時間を削減し、効率よく業務を進めることが可能です。
1日の配達件数を増やす工夫
1日の配達件数を増やすことは、年収アップの鍵となります。
配達先を事前に調査し、複数の配送先が近いエリアを優先的に回ることで、移動時間を短縮し、より多くの荷物を配送することができます。
また、積み下ろしの際に事前準備を行い、作業をスムーズに進めることも重要です。
配送単価の交渉
契約先との配送単価の交渉も年収を上げるために重要な手段です。
特に長期契約や繁忙期の特別配送においては、単価を上げる交渉を行うことが重要です。
同じ業務量でも収入を増やすことができます。
自分の実績やスキルを示し、単価アップを目指すことが大切です。
経費の削減
個人事業主として収入を増やすには、経費の削減も欠かせません。
例えば、燃費の良い車両を選んだり、ガソリン代の安いスタンドを利用することで、ランニングコストを削減することが可能です。
また、保険の見直しや、車両の定期メンテナンスを適切に行うことで、大きな修理費用を防ぐことも重要です。
体調管理の徹底
個人事業主は、健康状態が仕事に直結します。
体調管理を徹底することで、長期的に稼働日数を確保し、安定した収入を維持することができます。
定期的な運動やバランスの良い食事、十分な休息を心がけ、常にベストなコンディションで業務に臨むことが大切です。
条件の良い業者との契約
複数の配送会社と契約する際には、条件の良い業者を選ぶことが収入アップに直結します。
配送単価が高い案件を優先的に受けるだけでなく、信頼できる業者と長期契約を結ぶことで、安定した仕事量と収入を得ることが可能です。
契約前に十分なリサーチを行い、自分に合った業者を選ぶことが重要です。
兼業・副業する
軽貨物ドライバーとしての収入に加えて、兼業や副業を行うことも年収を上げる方法のひとつです。
例えば、空き時間に他の運送業務や、フリーランスの仕事を組み合わせることで、収入源を複数持つことができます。
特に閑散期に副業を活用することで、収入の安定化を図ることが可能です。
個人事業主の軽貨物ドライバーに関するQ&A
- ヤマトの個人事業主の給料はいくら?
- 軽貨物をやってはいけない理由とは
- 軽貨物ドライバーで月収100万は可能?
- 大型トラックの個人事業主の年収は?
上記4つは個人事業主の軽貨物ドライバーによくある質問です。
それぞれ簡潔に説明致します。
ヤマトの個人事業主の給料はいくら?
ヤマト運輸で個人事業主として働く軽貨物ドライバーの収入は、契約内容や業務量によって異なりますが、月収で30万円から50万円が一般的とされています。
繁忙期や特定の高単価の配達案件をこなすことで、さらに高収入を得ることも可能です。
ただし、車両維持費やガソリン代、保険料といった経費を差し引いた後の実質的な収入をしっかり把握しておくことが重要です。
軽貨物をやってはいけない理由とは
軽貨物ドライバーとしての働き方が全ての人に適しているわけではありません。
一部で「やってはいけない」と言われる理由には、収入の不安定さや経費負担の大きさが挙げられます。
特に繁忙期と閑散期で収入の差が激しいため、安定収入を得ることが難しいと感じる人もいます。
また、車両の維持や事故時の責任が自己負担になる点もリスク要素です。
自己管理能力やリスクに対する備えができていないと、経済的に厳しい状況に陥ることがあるため、慎重に検討する必要があります。
軽貨物ドライバーで月収100万は可能?
軽貨物ドライバーで月収100万円を達成することは可能ですが、非常にハードルが高いです。
月収100万円を目指すには、長時間労働や高単価の配送案件を効率よくこなす必要があります。
繁忙期や都市部での高需要なエリアでの仕事が中心となり、1日あたりの配達件数を最大化する工夫も必要です。
また、事業規模を拡大して複数の車両を運用し、従業員を雇うなどのビジネスモデルを採用すれば、月収100万円も現実的になります。
ただし、その分リスクや負担も増えるため、リスク管理が重要です。
大型トラックの個人事業主の年収は?
大型トラックの個人事業主の年収は、600万円から800万円が一般的とされています。
長距離運送や高単価の特殊貨物輸送を積極的に行うことで、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。
ただし、大型車両の維持費や燃料費、保険料、車検費用といった経費も軽貨物より大きくなるため、収入の管理がより重要になります。
また、仕事の依頼元による単価の差も大きいため、条件の良い契約先を確保することが収入を上げるカギとなります。
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まとめ:個人事業主の軽貨物ドライバーはやり方次第で高い年収を狙えます
個人事業主として軽貨物ドライバーをする場合、収入の安定性やリスク管理が大きな課題ですが、正しい戦略と工夫次第で高い年収を狙うことが可能です。
業務効率化や配送件数の増加、経費削減などの取り組みを行うことで、月収を大幅にアップさせることができます。
また、健康管理や複数の契約先を確保することも、長期的な成功に繋がります。
個人事業主としての自由な働き方を活かしつつ、安定した収入を得るためには、計画的な行動と自己管理が重要です。
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