車の足回りパーツのひとつ「ハブベアリング」
普段あまり意識しない部品ですが、もし劣化すると異音や走行性能の低下を引き起こし、放置すると大きな事故にもつながる可能性があります。
交換が必要になったとき、気になるのが「費用はどれくらいかかるのか」という点。
この記事では、ハブベアリング交換費用の相場や工賃の目安、実際の事例を交えながら詳しく解説していきます。
さらに、交換費用を少しでも安く抑えるコツも紹介していますので、メンテナンスを検討している方はぜひ参考にしてください。
ハブベアリングとは?役割と交換が必要になる理由
まずはハブベアリングとは何か、その基本から押さえていきましょう。
役割を理解することで、なぜ定期的な交換が必要なのかも見えてきます。
ハブベアリングの基本的な役割
ハブベアリングとは、車輪(タイヤ)と車体をつなぐ「ハブ」という部品内に組み込まれているベアリング(軸受け)のことです。
この部品のおかげで、タイヤはスムーズに回転しながら、車体の重さをしっかり支えられています。
簡単に言えば、車の走行に必要不可欠な「回転と支え」を担う重要パーツです。
走行中は常に大きな力が加わり続けているため、徐々に劣化していきます。
寿命と劣化のサイン
ハブベアリングの寿命は、一般的に10万km前後と言われています。
ただし、使用環境や乗り方によって短くなる場合もあり、早ければ5万km台で異常が出るケースもあります。
劣化のサインには次のようなものがあります。
- 走行中「ゴーッ」「ゴロゴロ」といった異音がする
- ハンドル操作時に違和感を感じる
- タイヤにガタつきが出る
これらの兆候が現れたら、早めに点検・交換を検討することが必要です。
ハブベアリングが劣化すると起こるトラブル
ハブベアリングの劣化を放置すると、以下のような重大トラブルにつながる恐れがあります。
- タイヤの異常な振動
- ハンドル操作不能
- 最悪の場合、タイヤ脱落事故
安全運転に直結する部品だけに、異常を感じたら迅速な対応が求められます。
ハブベアリング交換にかかる費用の相場
次に、ハブベアリングの交換にかかる費用について具体的に見ていきましょう。
部品代と工賃、それぞれの相場を押さえておくと安心です。
車種別・部品代の目安
部品代は車種やベアリングの種類によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
車種 | 部品代(片側1個あたり) |
---|---|
軽自動車 | 約5,000円〜10,000円 |
普通車(コンパクト・セダン) | 約8,000円〜15,000円 |
SUV・大型車 | 約12,000円〜25,000円 |
外車・高級車 | 約20,000円〜50,000円 |
車種が大きくなるほど、ベアリングのサイズや強度も上がるため、部品代が高額になる傾向があります。
工賃の目安(ディーラー・整備工場別)
工賃は作業内容と店舗によって差があります。
- ディーラー:1箇所あたり15,000円〜25,000円
- 民間整備工場:1箇所あたり10,000円〜18,000円
フロントとリアで構造が異なるため、フロント側のほうが作業が複雑で高くなることもあります。
フロント・リアで費用は違う?
一般的に、フロントのハブベアリングの方が工賃が高くなる傾向にあります。
- フロントは駆動輪(FF車の場合)であり、ブレーキやサスペンションとの連携があるため、脱着作業が多い
- リアは比較的構造がシンプル(ただし車種による)
結果として、フロント側は部品代・工賃ともにやや高額になることが多いです。
実際の交換費用事例まとめ
ここでは、実際にハブベアリングを交換した際の具体的な費用事例を車種別に紹介します。
目安と実態を把握しておくと、見積もり時にも役立ちます。
軽自動車の場合
例:スズキ・ワゴンRの場合
- 部品代:約7,000円
- 工賃:約12,000円
- 合計:約19,000円(片側)
軽自動車は部品も小型で作業負担が少ないため、比較的リーズナブルに交換できます。
両輪交換を依頼すると、概ね35,000円〜40,000円前後が相場です。
普通車(セダン・SUV)の場合
例:トヨタ・プリウスの場合
- 部品代:約12,000円
- 工賃:約18,000円
- 合計:約30,000円(片側)
コンパクトカーやセダンでも、特殊な取り外し作業が必要になる場合は工賃が上がります。
SUV(例:ハリアーなど)はさらに部品が大型化するため、片側40,000円近くかかるケースもあります。
外車・高級車の場合
例:BMW・3シリーズの場合
- 部品代:約30,000円
- 工賃:約25,000円
- 合計:約55,000円(片側)
外車は部品自体が高額で、さらに整備も特殊工具が必要になるため、全体的に費用が跳ね上がります。
正規ディーラーではさらに高額になるケースもあり、10万円超えになる場合も珍しくありません。
ハブベアリング交換を安く抑えるコツ
できるだけ費用を抑えたい場合、いくつかの工夫や選択肢があります。
賢くメンテナンスをするためのポイントを紹介します。
ディーラーと整備工場の使い分け
- ディーラーは安心感がある反面、費用は高め
- 民間整備工場やカー用品店併設工場の方が、同等の作業内容でも安い場合がある
特に保証期間外の車であれば、信頼できる民間整備工場を活用することで、数千円〜数万円単位で費用を抑えられることがあります。
部品持ち込み可の工場を探す
最近では、ネット通販などでハブベアリングを安く購入し、それを持ち込みで取り付けてくれる整備工場も増えています。
- 純正品よりも社外優良部品を選べば、部品代が半額近くになることも
- 持ち込み工賃はやや割高(通常より2,000円〜5,000円高い)になる場合もある
それでもトータルでは安く済むことが多いため、事前に持ち込み可否を確認しておくことが重要です。
複数見積もりで費用を比較する方法
整備工場ごとに費用設定にばらつきがあるため、1社だけではなく、最低でも2〜3社に見積もりを取ることをおすすめします。
- 見積もり比較サイトを利用する
- 地元の整備工場に直接問い合わせる
- カー用品店(オートバックスなど)のメンテナンスプランをチェックする
複数見積もりを取ることで、適正価格が見えてきますし、交渉材料にもなります。
まとめ:ハブベアリング交換費用を知って賢くメンテナンスしよう
ハブベアリングは、車の走行を支える重要なパーツのひとつです。
劣化を放置すると、走行中の異音やハンドルの不具合、最悪の場合タイヤ脱落事故にまで発展するリスクがあります。
交換にかかる費用は車種によって幅があり、軽自動車なら片側2万円前後、普通車なら3〜4万円、外車なら5万円以上かかることもあります。
費用を抑えたい場合は、民間整備工場を利用したり、部品持ち込みを検討したりすることで、賢く節約することができます。
走行時の違和感や異音を感じたら、早めに点検・交換を行うことが安全運転につながります。
愛車のコンディションを守るためにも、ハブベアリング交換費用の目安を押さえたうえで、計画的にメンテナンスを進めていきましょう。