簿記2級の合格率はどれくらい?難易度・合格への対策を徹底解説

合格率 簿記2級

「就職や転職で有利になる」「経理の実務に活かせる」として人気の簿記2級。
簿記3級と比較すると一気にレベルが上がると言われており、「簿記2級の合格率って低いのでは?」と不安に思う方も多いはずです。

この記事では、簿記2級の合格率の推移や、なぜ合格が難しいのかといった背景を詳しく解説します。
また、近年のネット試験導入による影響、合格するための学習法まで、これから受験を考えている方に役立つ情報を網羅的にご紹介します。

目次

簿記2級の合格率は本当に低い?

まずは多くの受験者が気になる「簿記2級の合格率」について確認しましょう。
難関資格というイメージがありますが、実際の数値や過去のデータから、その実態を見ていきます。

合格率は平均15〜30%前後

日商簿記2級の合格率は、平均して15〜30%前後です
回によっては40%近くまで上がることもありますが、反対に10%台に落ち込む回もあり、3級と比べるとかなり厳しい数値です。

回ごとのばらつきが大きい

簿記2級は、毎回の出題範囲や難易度によって合格率の差が非常に大きいのが特徴です。
工業簿記の難問が出る回や、商業簿記で初見の出題パターンが出た回では、特に合格率が低下する傾向があります。

ネット試験と統一試験の合格率の違い

2021年から導入されたCBT(ネット試験)形式では、自分の好きなタイミングで受験できる反面、独学受験者が多く、合格率はやや低い傾向があります。
一方、年3回の統一試験(ペーパー試験)は、学生や資格学校の受講生が多いため、やや合格率が高く出ることもあります。

なぜ簿記2級は難しいのか?

簿記3級を合格した人でも、2級に進んだとたんに「まるで別の試験のようだ」と感じることがあります。
では、なぜ簿記2級はここまで難しいと感じられるのでしょうか。その理由を分野別に整理してみましょう。

工業簿記の概念が難解

簿記2級で新たに加わる工業簿記は、多くの受験者が最初につまずくポイントです。
材料費・労務費・製造間接費など、原価計算の概念が難しく、慣れないと理解するのに時間がかかります。

商業簿記の出題範囲が広い

簿記3級よりも大幅に広がる商業簿記の範囲には、連結会計・本支店会計・リース取引など、複雑な仕訳が多数登場します。
ひとつひとつの論点を丁寧に理解しないと、問題演習の時に混乱してしまいがちです。

計算+思考力が問われる問題形式

簿記2級では、単なる暗記やパターン練習では太刀打ちできない問題も多く、状況を把握して考える力(読解力+応用力)が求められます。
実務寄りの出題が増えていることから、内容理解が非常に重要です。

合格率を左右する勉強法とは?

簿記2級の合格率が低いのは、「やみくもに勉強しているだけでは合格できない」ことの表れでもあります。
この章では、合格する人が実践している効果的な学習法をご紹介します。

まずは全体像の把握から始める

簿記2級の範囲は広いため、最初から細かい知識に入るのではなく、商業簿記と工業簿記の全体構造をつかむことが大切です。
何のための処理なのか、なぜその仕訳になるのかを理解することが、挫折を防ぐコツです。

苦手分野を放置しない

工業簿記や特定の論点(連結・本支店など)を避けたまま勉強を進めても、試験で出題された瞬間に手が止まります。苦手をあえて重点的に学習し、わからない部分は講義や解説で解消していく姿勢が合格への近道です。

模擬試験・予想問題で実力チェック

知識のインプットだけではなく、アウトプット(問題演習)による実力確認が非常に重要です。
本番形式の模試や予想問題集を活用し、時間配分と得点戦略を意識して練習しましょう。

通信講座やスクールは使うべき?

「簿記2級は独学では厳しい」と言われる理由のひとつが、分量と内容の難しさです。
通信講座や資格学校の利用が合格率にどう影響するのか、実際のメリット・デメリットを見ていきましょう。

通信講座は時間のない社会人に最適

スタディング、クレアール、フォーサイトなどの通信講座は、動画解説×アプリ学習×質問サポートといった利便性が魅力です。
特に社会人や子育て中の方にとって、スキマ時間を活用できることが最大の強みです。

スクール通学は短期集中型に効果的

資格学校(TAC・大原など)では、プロ講師による解説、リアルタイムの質問対応、模試までセットになっており、短期間で仕上げたい人には最も確実な方法です。
ただし費用は5万〜10万円程度と高額になることが多いため、自己投資と捉えられるかがポイントです。

独学なら「王道テキスト+YouTube」が基本

独学で挑戦するなら、「スッキリわかるシリーズ」や「パブロフ簿記」などのわかりやすい教材+無料動画解説の併用がおすすめです。
わからないところはYouTube講座で補うと、理解がぐっと進みます。

簿記2級に向いている人・向いていない人

最後に、簿記2級の学習に向いている人と、そうでない人の特徴を整理しておきましょう。
自分のタイプを知ることで、どんな勉強法が合っているかも見えてきます。

地道にコツコツ積み重ねるのが得意な人

簿記2級は、継続力・計画性・反復学習が何よりも大切です。
コツコツタイプの人は、時間をかけて基礎を固めることで安定した合格力が身につきます。
スケジュール管理ができる人にも向いています。

向いていなくても工夫次第で合格は可能

「継続が苦手」「理解に時間がかかる」と感じる人でも、講座や学習アプリ、SNS勉強仲間の力を借りれば克服可能です。向き不向きにとらわれすぎず、「どうやって継続するか」を工夫することが合格の鍵になります。

合格までに必要な勉強時間の目安

簿記2級に合格するには、平均で200〜300時間の学習時間が必要と言われています。毎日2時間勉強すれば約3〜5ヶ月で合格可能な計算です。
逆に、短期間で詰め込みすぎると挫折しやすいので、長期計画で着実に進めるのが成功のポイントです。

まとめ

簿記2級は「受験者数が多い=簡単な資格」と思われがちですが、実際の合格率は15〜30%前後と決して高くなく、内容も実務的で難易度の高い試験です。
出題範囲の広さと深さから、準備不足のままでは合格が遠のいてしまいます。

しかし、適切な学習法・教材・学習計画を立てて取り組めば、十分に合格できる試験でもあります。
特に「仕訳の理解」「苦手分野の克服」「模試による実践力の養成」を意識することが、合格率アップの鍵です。

「本気で取りたい資格」として簿記2級に挑戦するなら、まずは自分に合った学習環境を整えることから始めてみましょう。

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