アドブルーは大型トラックに欠かせない排ガス浄化用の液体です。
普段の運行で「1リットルでどのくらい走れるのか?」や「警告灯がついたときどうすればいいのか?」は、現場のドライバーにとって切実な疑問です。
特に新型のトラックでは、対応を間違えるとエンジンがかからなくなり運行が止まってしまう危険があります。
さらにネットを調べるとトラックのアドブルーの消費量(燃費)が1リットルで1000キロ程度とありますが、これはとんでもない大嘘です。
この記事では、プロドライバーの実体験をもとに、アドブルーの走行距離の目安や警告灯が点いた際に絶対やってはいけない行動について解説します。
誤情報を信じて警告音が鳴った、などの事態に陥らないように注意しましょう!
アドブルー(トラック) 1リットルで何キロ走る?
ネットを調べると「アドブルー1リットルで1000km~1500km走れる」といった情報を目にすることがあります。
しかし、これは乗用車や理論値に近い話であり、大型トラックの場合は1リットルで1000キロなんで絶対にありえません。
実際にトラックを運転していると、アドブルーは思っている以上に早く減っていきます。
以下の画像で説明します。
【1、まずはアドブルーを補充して満タンにしました】

【2、メーターパネルで満タンを確認しました】

【3、走行可能距離を確認】

積載量や道路状況、高速主体か下道主体かによって多少は前後しますが、「1リットルで1000km」なんて数字は現場では絶対にありえません。
つまり、満タン50~60リットル入れてようやく4000km弱が限界。誤った情報を信じて油断していると、突然の警告灯に慌てることになります。必ず自分の車両の実走データを基準に考えるようにしてください。
三菱ふそう新型のスーパーグレートの警告灯がなったらどうする?
新型スーパーグレートに乗っていると、アドブルー残量が減ったときに警告灯や警告音が作動することがあります。この場面での対応を間違えると、エンジンがかからなくなり運行が止まってしまう大きなトラブルにつながります。ドライバーとして絶対に覚えておくべき対応ポイントをまとめます。
絶対にエンジンはとめるな
新型スーパーグレートでは、アドブルー残量が少なくなると警告灯と警告音が作動します。
このとき一番やってはいけないのが、焦ってエンジンを止めてしまうことです。エンジンを止めてしまうと再始動できなくなる可能性が高く、その場で立ち往生する事態につながります。
荷主にも会社にも迷惑がかかり、最悪の場合はレッカー移動になるため、警告灯が点いてもまずは冷静に運行を続けることが大切です。
アドブルーを補充しても警告灯や警告音がやまなかった場合もエンジンをとめるな
アドブルーを補充したにもかかわらず、警告灯や警告音が消えないケースもあります。
ここで「もう大丈夫だろう」と思ってエンジンを止めてしまうのは危険です。
警告が残っている状態でエンジンを切ると、再始動できなくなるリスクが非常に高いからです。走行自体はできるので、そのままディーラーや整備工場へ直行してください。
とにかく「警告灯が消えないから不安→エンジンを切る」という判断は禁物です。
補充しても警告灯や警告音がやまなかった時の対処法
アドブルーを補充したのに警告灯や警告音が消えないことは、実際の現場でもよくあります。このときの対応を間違えると、エンジンが二度とかからなくなる最悪の事態に直結します。ここでは、ドライバーが取るべき正しい対処法を整理します。
もしここでエンジンを切ってしまったらアウトです。再始動ができず、自力で動かすことは不可能になります。その場合は、会社の契約しているロードサービスや三菱ふそうのロードサービスを呼ぶしかありません。特に夜間や休日であれば、ふそうの夜間ロードサービスに頼ることになります。
最悪のケースは、道中で不安になってエンジンを止めてしまうこと。これは仕事の遅延だけでなく、安全面やコスト面でも大きなリスクになります。必ず「走れるうちはエンジンを止めず、ディーラーに直行する」ことを徹底してください。
スーパーグレート新型のアドブルータンク容量は
長距離輸送で走る距離を考えると、アドブルータンクの容量はドライバーにとって重要なポイントです。給油のタイミングや補充の計画を立てる上で、タンクにどれくらい入るのかを把握しておく必要があります。
私が実際に運転している新型スーパーグレートでは、おおよそ50リットルから60リットル程度アドブルーが入ります。積載量や走行条件によって消費スピードは変わりますが、この容量を基準にしておけば、満タンでの走行距離や補充の目安を立てやすくなります。
「どのくらいで警告灯がつくのか」「どのタイミングで補充すべきか」を自分の車両の実績から把握しておくことが、運行トラブルを未然に防ぐコツです。
まとめ
アドブルーは大型トラックにとって欠かせない存在であり、扱いを間違えると運行が止まってしまうほど重要なポイントです。
- アドブルーは1リットルで1000kmも走れない。実際は60〜70km程度が目安。
- スーパーグレート新型では警告灯がついても絶対にエンジンを止めないことが鉄則。
- 補充しても警告灯が消えない場合は、エンジンを切らずにディーラーへ直行。
- タンク容量はおおよそ50〜60リットル。自分の車両のデータを基準に管理することが大切。