「入社してから後悔したくない…」「ブラックな運送会社には入りたくない」
そんな不安を抱えている方は少なくありません。実際、運送業界には劣悪な労働環境や違法な働かせ方をする、いわゆる“やばい運送会社”も存在します。
求人票では分かりづらい裏の顔に気づかず、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースも多く見受けられます。
この記事では、運送会社への就職・転職を検討している方に向けて、“やばい運送会社”の特徴と、事前に見抜くための7つのチェックポイントを解説します。
失敗しない会社選びの参考に、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ“やばい運送会社”が存在するのか
運送業界は社会インフラを支える重要な業種でありながら、長年にわたって「きつい・危険・給料が安い」といったイメージがつきまとう業界でもあります。
ではなぜ、“やばい運送会社”と呼ばれるような職場が今なお存在しているのでしょうか。
その背景には、業界特有の構造的な課題が潜んでいます。
慢性的な人手不足と過重労働
ネット通販の拡大により、ドライバーの需要は年々増加しています。
一方で、過酷な労働環境や長時間労働が敬遠され、若年層の応募が減少。
結果として、少ない人員で回さざるを得ない会社が増え、ドライバー1人あたりの負担が大きくなっています。
こうした悪循環が、違法な長時間労働や休憩の未取得といった労働基準違反を生み出しているのです。
価格競争による利益圧迫
運送業界は取引先との価格交渉力が弱く、安価な請負料金で仕事を受けざるを得ないケースも多くあります。
そのため、経営を維持するために人件費を削減せざるを得ず、結果として従業員の給与や待遇にしわ寄せが及ぶことも。
特に中小規模の運送会社では、法令順守よりも“目先の利益”を優先してしまう傾向があります。
“やばい会社”に共通する特徴とは
いわゆる“やばい運送会社”にはいくつかの共通点があります。
たとえば、常に求人を出している(=離職率が高い)、異常に高収入をうたっている、面接で具体的な労働条件を明かさない、などです。
これらの特徴は、表面的には魅力的に見えても、裏を返せば職場環境に問題がある可能性が高いサインとも言えるでしょう。
やばい運送会社の具体的な実態
運送会社の中には、求人広告や面接で良いことばかりをアピールし、実際の労働環境とは大きく異なるケースがあります。
ここでは、実際に報告されている“やばい運送会社”の特徴的な実態を紹介します。
これらの実態に少しでも当てはまる場合、注意が必要です。
残業代が出ない、基本給が極端に低い
基本給を低く設定し、歩合給で稼がせるスタイルの会社も多く存在します。
その結果、走った分だけ収入は増えますが、逆に仕事がなければ生活が厳しくなるという不安定な働き方になります。加えて、残業代が固定残業代に組み込まれていたり、そもそも支払われないというケースも少なくありません。
休憩なし・休日なしの働かせ方
長距離運転や深夜配送などの勤務が常態化している会社では、十分な休憩が取れず、休日出勤が当たり前になっていることもあります。
法定の拘束時間(1日最大13時間、週あたり60時間など)を大幅に超えるような働き方が横行していれば、それは明らかに“やばい”兆候です。
トラブルや事故の責任をドライバーに転嫁
荷物の破損や配送トラブル、さらには交通事故に対して、すべてドライバー個人に責任を負わせるような会社も存在します。
本来、企業として安全管理や損害補償の体制を整えているべきですが、その責任を社員に押し付けるのはブラックな会社の典型的な手口です。
高い離職率と頻繁な求人
「常に求人を出している会社」は要注意です。
特に、“未経験歓迎・高収入・即採用”といったキャッチコピーを多用している企業は、離職率が高く人材の入れ替わりが激しい可能性があります。
また、口コミサイトなどで「新人がすぐ辞める」「人が育たない」といった声が多い会社は、実態に問題があることが多いです。
入社前にチェックすべき“やばい会社”の見分け方
求人情報や面接では良いことばかりを言われがちですが、実際に入社してからブラックな環境に気づくのでは遅すぎます。
ここでは、“やばい運送会社”を事前に見抜くためにチェックすべきポイントを紹介します。
転職・就職前にしっかり確認することで、リスクを避けることができます。
求人票に「高収入」「未経験歓迎」ばかりが強調されていないか
あまりにも良い条件が並びすぎている求人には注意が必要です。
たとえば、「月収50万円可能」「未経験からスタートOK」「週休2日」といった文言がある一方で、労働時間や業務内容の記載が曖昧な場合、現場は実際に過酷である可能性があります。
条件が極端に良すぎる場合は、何か裏があると疑ってかかるべきです。
面接での対応・質問への答え方をチェックする
面接で「勤務時間」「残業の有無」「休日数」などについて具体的に質問したとき、答えを濁されたり、「みんな頑張ってるから」など曖昧な表現で返される場合は要注意です。
また、会社の雰囲気を知るために「職場見学が可能か?」と聞いてみるのも有効です。
断られるようであれば、内部を見せたくない何かがあるのかもしれません。
会社の雰囲気・設備・車両を実際に見る
可能であれば、事前に会社の車両やオフィスの様子を見てみましょう。
車両の整備が行き届いていなかったり、事務所が雑然としていたりする場合、会社全体の管理体制にも不安が残ります。
また、従業員が挨拶をしない、ピリピリした空気が漂っているなど、現場の雰囲気からもヒントを得ることができます。
口コミサイト・SNSで実際の評判を確認する
企業の公式情報だけでなく、転職サイトの口コミやSNSの投稿も参考になります。
もちろん一部の意見に偏らないよう注意は必要ですが、「労働時間が長い」「残業代が出ない」「上司のパワハラがある」といった具体的な書き込みが多ければ、それは実態を反映している可能性が高いです。
もしその会社が“やばかった”と気づいたらどうする?
実際に入社してから「この会社、やばいかも…」と気づいた場合、我慢を続けてしまう人も少なくありません。
しかし、身体や心を壊してしまってからでは遅いのです。
この章では、“やばい運送会社”に入ってしまった場合の対処法を解説します。
労働基準法に基づいた相談・通報を検討する
明らかに法令違反(残業代の未払い、長時間労働、休憩なしなど)がある場合、労働基準監督署への相談や通報が可能です。
匿名でも相談できるため、「報復が怖い」と感じる方でも安心です。
また、法テラスや労働組合など、無料で相談できる窓口もあります。
退職代行や転職エージェントの活用も選択肢に
自分一人で会社と交渉するのが難しい場合は、退職代行サービスの利用も選択肢です。
ストレスなく速やかに職場を離れる手助けになります。
また、次の職場探しには運送業に特化した転職エージェントを活用することで、同じ失敗を繰り返さずに済みます。
優良な企業の求人を紹介してもらえるのもメリットです。
心身の健康に異変を感じたらすぐに行動を
「眠れない」「食欲がない」「会社に行こうとすると体調が悪くなる」といった症状は、心や身体が限界を迎えているサインかもしれません。
早めに医療機関を受診し、診断書をもらって休職や退職の根拠とすることも重要です。健康より大切なものはありません。
まとめ
“やばい運送会社”に誤って入社してしまうと、長時間労働や未払い残業代、劣悪な労働環境といった深刻な問題に直面するリスクがあります。
特に運送業界は人手不足が深刻なため、表面上は魅力的に見える求人でも、実態はまったく異なるというケースが後を絶ちません。
だからこそ、求人情報を鵜呑みにせず、会社の実態をしっかりと見極める目が必要です。
面接時の対応や会社の雰囲気、口コミのチェックなど、事前にできる対策を怠らないことで、自分の身を守ることにつながります。
運送業は社会に欠かせない尊い仕事です。
だからこそ、自分が誇りを持って働ける環境を選び、無理なく長く続けられる職場を見つけてください。
本記事がその第一歩となれば幸いです。
